2017.5.13
わが国のメディアの現状と問題点
~新聞報道を中心にして~
黒須 俊夫
2017年5月13日(土)15:00より、前橋プラザ元気21にて、日本科学者会議群馬支部主催による、へいわの風事務局でもお世話になっており、群大名誉教授(メディア論)でいらっしゃる黒須俊夫先生によるご講演がありました。
多数の資料により、時間を追った日本メディアの変節、変容、現代の問題点がよくわかるご講演でした。(ここでは、先生ご自身による資料以外は添付しておりませんので、ご了承ください)
特に、政府がどのようにメディアに働きかけ、メディアコントロールをしていったか、また、その法的根拠に大きな疑義があることを明確にしてくださいました。
また、いかに、健全な民主主義には真実の報道が必須なのかも改めて考える機会となりました。
先生は最後に、ご自身が2001年に記された〈群馬洋論 第85号〉の文章を要約されながら、IT革命には我々の生活にもたらすメリットもあるが、そのデメリットもある。私達がそれにどう対応することができるかを話されました。
つまり、(引用)「IT技術ものがどのように進歩するのかはまだわからず、それは人間の能力ではとらえきれない[妖怪]のように徘徊することになるかもしれない。
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たとえば、情報の真偽判断は全く不可能な社会になるだろう。まさに、不確実性そのものの中に生きなければならなくなる。」(引用終わり)
先生は、現代の「偽ニュース」や「ポスト真実」を見通され、私達に警告されていらっしゃったのです。
「でも一つだけ、このような無限の不安の連鎖を断つ道がある。」とおしゃっています。
(引用)「要するに、コンピューターに依存したネットワークではない、対等平等な人間関係と差別や蔑視のない人権を認め合うことができるネットワーク、人と人の身体的ぬくもりと信頼関係にもとづいた人間的ネットワークを構築すればよいのである。そのためには、21世紀には、平和憲法の精神や本当の民主主義の実践という視点をいっそう発展させることがますます重要となるであろう。」(引用終わり)
へいわの風 大川久美子