第3回憲法大討論会~生活と憲法を語り合おう~
2018年1月27日(土)13:30~16:30 群馬県青少年会館 日本科学者会議群馬支部と共催で3回目の憲法大討論会を行い、約40名が参加くださいました。 今回のテーマは「生活と憲法」。 憲法25条は、私達国民すべての「生存権」を規定し、またそれに対する国の社会的使命について規定したものですが、さて、この5年間の安倍政権下で、私達の実際のくらしとその憲法に規定されたこととの現実が具体的にどのようなものなのかを、3名のパネリストが報告し、その後会場の参加者とともに考え語らいました。
お1人目の齋藤匠弁護士は「憲法25条と貧困・格差問題」と題し、平均所得減少、貧困率の上昇、失業者の2割しか失業給付を受けていない現実など、広がる格差を数的データで示し、「健康で文化的な最低限度の生活」とは?という根本的な問いかけをしました。会場からは生活の苦しさを訴える切実な声も出されました。
お2人目の山田博文群大名誉教授は「アベノミクスの是非」と題し、安倍政権が主導してきた「異次元金融緩和」が格差拡大と貧困問題を引き起こす仕組みと、その隠された目的(ハイパーインフレ)を含む大いなる問題点を、大きな経済の視点から報告されました。株投資でなく堅実に貯蓄する日本の国民性がこの支離滅裂な金融政策の破綻を阻止しているとも言えると評価、また、軍需産業でなくても経済発展できた私達の歴史を指摘し、希望を与えてくれる基調講演でもありました。 最後に永田瞬高崎経済大学准教授は「雇用の不安定化と最低賃金規制」と題し、具体的な過去からのデータや研究結果から、「健康で文化的な生活水準」にするには、今望まれている自給1500円は必要であるし可能でもあると報告し、地域の中小企業からでも労働環境や経済環境を改善できる可能性を示唆されました。 会場からは、企業と政府の関係、障害者福祉、残業問題、アベノミクスの出口、憲法と国の理想、ポルトガルでの経済復興、TPPについてなど、幅広い質問や意見が出されました。
今、私達のくらしに大きく関わる経済も政治も主権者から大きく引き離されています。
私達国民一人一人がもう少し経済や政治・憲法に目を向け学習し、これらの問題について国民主導で政治を変えていく必要があることを改めて考えた学習会でした。(大川)